競技の方法と遊び方
ティーボールは、少人数でも大勢でも楽しめるボールゲームである。
全国大会や地区大会などでは、日本ティーボール協会が制定した「公式規則」に則ってプレーし、少人数で楽しむときは、そのときに集まった人数、性差、年齢、グラウンド(体育館)の広さ、技術差、用具の質と数を考慮したルールのもとで、プレーすることが大切である。
幼児へのティーボールゲーム
どか点三角ベース(12名)
【方法】
《ゲーム》
- 1チームは6名とする。
- 本塁プレートから開く角度は60°とし、本塁と塁ベースの間は3~5m(年少3m、年中4m、年長5m)とする。
- 攻撃側の全員が打ち終えたら、攻守交代する。
- 塁に走者が残ったときは次の回に受け継ぐ。最終回は残さない。
- 回数は2回か3回とする。
- プレーの方法については、7ページ「幼児・小学1・2年生用どか点ティーボール①」を参照。
《打者》
- 打者は、フェア地域の中へ力強く打つ。
《走者》
- 打者は打ったら打者走者となり、原則としてバットをコーンまたはフープの中に置き(打者がバットを投げないようにするため)、1塁と3塁後方に引かれている内野サークル(守備・走塁ライン)の外(外周)を全力で走る。
- 指導者が守備者からの送球を捕って幼児用ティーボールコーンにボールを載せたとき、「ストップ」と声を出させる。そのときの走者の位置を確認し、得点を決定する。
- ルールを工夫してプレーする。
例: 2周目も走れる(1打席につき6点まで得点できる)。
体育館でプレーする場合、ボールが壁に直接当たったときもプレーを続行する。
【用具】
幼児用ティーボールコーン4台、ティーボール5個、幼児用ティーボールバット2本、バットを置くためのフープ1個。
幼児・小学1・2年生用どか点ティーボール①
7名対7名のゲーム
【施設】
- 幼児の場合、塁間の距離は、5メートルとする。
- 小学1・2年生の場合、塁間の距離は、10メートルとする。
- 内野と外野ラインは、一塁三塁と本塁二塁を結ぶ対角線が交わる点を基点として一塁ベース後方(三塁ベース後方)1メートルと3メートルの地点から実線で4分の1円を描く。
- 小学1・2年生の場合、一塁ベース後方1メートルと4メートルの地点から実線で4分の1円を描く。
- ホームランラインは、幼児の場合、ダイヤモンド本塁プレートの角から、15メートルのホームランラインを描く。(小学1・2年生の場合、30メートル)
【用具】
- バッティングコーン1台、11インチオレンジティーボール、フープかコーン
小学1・2年生用どか点ティーボール②
【プレーの方法】
- 打者は、思いきりボールを打つ。
- 打者は、打った後、バットをフープかコーンの中に入れて、一塁ベース、二塁ベース、三塁ベース、本塁コーンの外周を全力で走る。
- 7人の守備者は内野ライン上に一塁手、二塁手、遊撃手、三塁手と4人が、外野ライン上に右翼手、中堅手、左翼手の3人が守備する。
- 守備者は全員で打球を追い、捕った後は、そのボールを、本塁プレート(コーン)の横にいる指導者に返球する。その時、他の守備者がボールを中継しても構わない。
- 指導者は、そのボールを捕り、本塁コーンの上にボールを載せる。
- 指導者が、本塁コーンの上にボールを載せた時、打者走者が一塁を回っていたら1点、二塁なら2点、三塁なら3点、本塁を回っていたら4点、また2周目で一塁を回っていたら5点とする。
【指導のポイント】
- 打者走者には、塁コーンの外側をしっかり全力で走らせる。
- 指導者は、打者走者が一塁ベース(コーン)を回ったら「1点」、二塁ベース(コーン)を回ったら「2点」と大きな声で選手に伝える。
小学生へのティーボール指導
● キャッチボール(スロー&キャッチ)
● 一列キャッチボール(8名)
● ジャストミートゲーム(6名)~狙いどおり打とう!~
● フルスイングゲーム(6名)~強く打とう~
● ホームラン競争(10名)~遠くへ飛ばそう!~
● ベースランニング競走(12名以上)
● メジャーリーグゲーム(6名)
● カットインメジャーリーグゲーム(8名)
● どか点ティーボール 三角ベース(12名)、四角ベース(14~20名)
● 三角ベースティーボール(12名)
● ティーボール(20~30名)
※クリックで文章へ飛びます
キャッチボール(スロー&キャッチ)
【方法】
○二人一組となり、1人がボールを投げ、他の1人がボールを捕る。
○最初は下手から山なりのボールを5球から10球投げ合う。
○次に、上手から山なりのボールを5球から10球投げ合う。
○その後、ワンバウンドやゴロのキャッチボールを行う。
【用具】
11・12インチティーボール(ウレタン製)、インドアティーボール
【指導のポイント】
○ボールの握り方、投げ方、および捕り方は上のイラストを参考にさせる。
○投げる人には、相手が捕れるところに易しく投げるよう指導する。
○捕る人には、ボールの正面で、両手で捕るよう指導する。
一列キャッチボール(8名)
【方法】
○8名は、Aグループ①、②、③、④とBグループ⑤、⑥、⑦、⑧に分かれる。
○AグループとBグループは一列に相対する。
○まず、①が⑤にボールを投げる。
○①はボールを投げた後、図のように、⑧の後方に回る。
暴投したときは送球者がそれを取りに行く。
○次に、⑤は②にボールを投げる。
○これを繰り返す。
【用具】
11・12インチティーボール(ウレタン製)、インドアティーボール。
【指導のポイント】
○投げる人には、相手の胸を目がけて丁寧にボールを投げるよう指導する。
○暴投したら、全力でボールを取りに行くよう指導する。
○捕る人には、フットワークを上手に使い、正面でボールを捕るよう指導する。
○列の後方に回つたとき、前の人のプレーをよく見て、自分のプレーの参考にさせる。
○②③④、⑥⑦⑧は、次のプレーに備えて足踏みするよう指導する。
ジャストミートゲーム(6名)~狙いどおり打とう!~
【方法】
○6名は、攻撃側3名と守備側3名に分かれる。
○攻撃側は、打者、次打者、3番打者兼ボールキーパーとなる。
○守備側は、内野手A、B、Cが一列となる。
○打者と内野手の距離は10~15mとする。
○打者は、自分でバッティングティーの上にボールを載せ、内野手Aに向かって打つ。
○内野手Aは、打球を捕り、3番打者兼ボールキーパーに送球する。
○攻撃側は、打者→次打者→3番打者兼ボールキーパー→打者の順でローテーションする。
○守備側は、内野手A→B→ C→Aの順でプレーする。
○攻撃側の3名がそれぞれ3回打ったら、攻守交代する。
【用具】
バッティングティーまたはコーン、11・12インチティーボール(ウレタン製)、
インドアティーボール、バット(ウレタン製)。
【指導のポイント】
○打者は打つ前に「いくよ」と言い、守備者は「いいよ」と応えるよう指導する(10、11、12、13、14ページのゲームも同様)。
○打者には、バットに当たる瞬間までボールをよく見て打つよう指導する。
○内野手には、打球の正面に入り、両手で捕るよう指導する。
○強打者のとき、内野手には更に後方で守備するよう指導する。
フルスイングゲーム(6名)~強く打とう~
【方法】
○6名は、打者、次打者、3番打者兼ボールキーパー、内野手A、および外野手B、Cとなる。
○打者からホームランライン(校庭)あるいは壁(体育館)までの距離は20m前後とする。打者から内野手までの距離は10m、打者から外野手まで距離は17~18mとする。
○打者は、ホームランラインあるいは壁に向かって思い切り打つ。
○打球が内野手Aに捕られるか、止められるかすると1点、外野手にB、Cに捕られるか、止められるかすると2点、ホームランラインを越える(壁に当たる)と3点とする。
○打者が打ち終えたら、ジャストミートゲームのときと同じローテーションを行う。
○攻撃側3名と守備側3名の合計点で勝敗を決める。
【用具】
バッティングティーまたはコーン、11・12インチティーボール(ウレタン製)、インドアティー
ボール、バット(ウレタン製)。
【指導のポイント】
○打者には、バットを水平に振らせ、ジャストミートするよう指導する。
○安全面を考慮して、打者が打ち終えたら、バットを次打者に渡すよう指導する。
ホームラン競争(10名)~遠くへ飛ばそう!~
【方法】
○10名は、攻撃側5名と守備側5名に分かれる。
○攻撃側は、打者①、②、③、④、の順で、1人一本ずつできるだけ遠くヘフライやライナーを打つ。
○フライ(ライナーを含む)が10mまでだと1点、10mから20mまでは2点、20mから30mまでは3点、それ以上はホームランで4点とする。
○守備側は、図のように、守備者Aが10m、Bが20m、Cが30m、DとEが30mから40mの位置で打球を見守り、ノーバウンドは捕球せず、ワンバウンドかゴロでボールを捕り、その後、攻撃側に送球する。ただし、D、Eは、4点ゾーンの中でのみ、ノーバウンドで捕球しても構わない。
○攻撃側の5名が打ち終えたら、攻守交代する。
○5名の合計点でチームの勝敗を決める。
【用具】
バッティングティーまたはコーン、11・12インチティーボール(ウレタン製)、インドアティーボール、バット(ウレタン製)。
【指導のポイント】
○打者には、バットを思い切り振らせ、ボールをできるだけ遠くへ飛ばすよう指導する。
○お互い声をかけ合い、楽しくプレーする。
ベースランニング競走(12名以上)
【方法】
○塁間は14~16mとする。
〇2チームは本塁スタートと2塁スタートに分かれ、ダイヤモンドを1人1周のリレーをする。
○バトンの代わりにボールを使用する。
○ダイヤモンドの中央(バッティングティー)の横にいる人(先生または児童)がボールを上空に投げ、ボールがグラウンドに落ちたとき、両チームの第1走者がスタートする。
○最終走者が1周して、ダイヤモンド中央にあるバッティングティーの上にボールを載せるかタッチしたチームを勝利とする。
【用具】
バッティングティー、11・12インチティーボールあるいはインドアティーボール(バトンの代わりとして)、本塁プレート1枚、塁ベース3枚。
【指導のポイント】
○塁ベースを回るとき、塁ベース上を直角に曲がるのではなく、スピードを落とさないようにふくらんで走るよう指導する。
○塁ベースはしっかりと踏んでいくよう指導する。
○バトンの代わりのボールを次の走者にしっかりと渡すよう指導する。
メジャーリーグゲーム(6名)
【方法】
○6名は、攻撃側3名と守備側3名に分かれる。
○守備者は、図のように、A、B、Cに分かれる。
○打者は、守備者AかBに向かって力強く打つ。守備者AかBは、ボールを捕り、ベース代わりのフープ内にいる守備者Cにボールを投げる。守備者Cが、両足または片足をフープ内に入れてそのボールを捕ったときのみアウトとする。フープ外で捕球したときや落球したときはセーフとする。尚、返球は何回バウンドしても構わない。
○打者がセーフになったら、1点とする。
○3名全員が打ち終えたら、攻守交代する(3アウトで攻守交代も可)。
※その他アウトになるとき(打者が守備者のいる方向に打たなかったとき、守備者が打球をノーバウンドで捕ったとき)。
【用具】
バッティングティー、11・12インチティーボール(ウレタン製)、インドアティーボール、バット(ウレタン製)、フープ。
【指導のポイント】
○投げる能力が高まってきたら、守備者AかBからの返球を守備者Cがノーバウンド、あるいはワンバウンドで捕ったらアウトというルールにする。 ○6ヵ所(36人学級)前後で行うので、バッティングティーの間隔を十分とるよう配慮する。
カットインメジャーリーグゲーム(8名)
【方法】
○メジャーリーグゲームに中継プレーを入れたゲームである。
○8名は、攻撃側4名と守備側4名に分かれる。
○守備者は、図のように、守備者A、B、C、Dに分かれる。
○打者は、守備者A、B、Cがいる方向に強く打つ。守備者Aがボールを捕ったら、中継プレー (守備者C)を使ってフープの中にいる守備者Dまでボールを返す。守備者間は、ノーバウンド、あるいはワンバウンドでボールを返すことができればアウトとする。
○打者の打撃力が弱い場合、守備者C(内野手)はさらに前進して守備する。
○4名全員が打ち終えたら、攻守交代する。または、3アウトで攻守交代する。
※その他アウトになる場合(守備者がいる方向に打たなかったとき、守備者が打球をノーバウンドで捕ったとき)。
【用具】
バッティングティー、11・12インチティーボール(ウレタン製)、インドアティーボール、 バット(ウレタン製)、フープ。
【指導のポイント】
○中継プレーでは、守備者に正確に送球するよう指導する。
○各自の投げる能力を考慮して、中継プレーの位置を決めるよう指導する。
○3アウトで攻守交代する場合は、攻撃側と守備側の戦力を均等化する。
どか点ティーボール 三角ベース(12名)、四角ベース(14~20名)
【方法】
○打者は、思い切りボールを打つ。
○打球を捕った守備者は、本塁手に送球し、本塁手がボールをバッティングティーの上に載せるかタッチするまでに打者走者が到達した塁ベースの数を得点とする(1塁を踏んだら1点、2塁で2点、3塁で3点、ホームランなら4点)。したがって、走者は残らない。尚、本塁手に送球するとき、守備者から他の守備者にボールを中継しても構わない。
○守備者が打球をノーバウンドで捕ると、打者はアウトで、得点は0点である。
○打者一巡で攻守交代する。
【用具】
バッティングティー、11・12インチティーボール(ウレタン製)、インドアティーボール、バット(ウレタン製)、本塁プレート1枚、塁ベース3枚、コーンまたはフープ、得点板。
【指導のポイント】
○打者は打つ前に「いくよ」と言い、守備者は「いいよ」と応える。
○チームワークを高めるため、味方の打者走者が塁ベースを踏むとき、攻撃側全員に「1点」、「2点」、「3点」、「4点」と声を出させる。
○本塁手が守備者からの送球を捕ってボールをバッティングティーの上に載せるかタッチしたとき、「ストップ」と声を出させる。そのときの走者の位置を確認し、得点を決定する。
○ルールを工夫してプレーする。
例: 2周目も走れる(1打席につき8点まで得点できる)。
体育館でプレーする場合、ボールが壁に直接当たったときもプレーを続行する。
三角ベースティーボール(12名)
【方法】
《ゲーム》
○1チームは6名とし、攻撃側の全員が打ち終えたら、攻守交代する。
○本塁プレートから開く角度は60°とし、本塁と塁ベースの間は12~14mとする。
○塁に走者が残ったときは次の回に受け継ぐ。最終回は残さない。
○回数は2回か3回とする。
《打者》
○打者がアウトになるとき
・打者走者が1塁ベースに達する前に1塁手がボールを保持して1塁ベースを踏んだとき。
・守備者が打球をノーバウンドで捕ったとき(学年や技術レベルによって、ワンバウンドでも可)。
○他のルールに関しては、ティーボール競技規則 4. 打撃規定参照(4ページ)。
《走者》
○打者は打ったら打者走者となり、原則としてバットをコーンまたはフープの中に置き(打者がバットを投げないようにするため)、1塁、2塁、本塁の順に走る。
○他のルールに関しては、ティーボール競技規則 5. 走塁規定参照(4ページ)。
【用具】
バッティングティー、11・12インチティーボール(ウレタン製)、インドアティーボール、 バット(ウレタン製)、本塁プレート1枚、塁ベース2枚、バットを置くためのコーンまたは フープ。
ティーボール(20~30名)
【方法】
《ゲーム》
○1チームは原則として10名とする(11~15名でも可、11名以上の人は打つだけのエキストラヒッターとなる)。
〇2チームが攻撃側と守備側に分かれ、攻撃側の全打者が打ち終えたら、攻守交代する。
○打者は打ったら打者走者となり、1塁、2塁、3塁、本塁の順に走る。
○塁に走者が残ったとき、次の回に受け継ぐ。最終回は残さない。
○回数は2回か3回とする。
○他のルールに関しては、ティーボール競技規則を参照(2、3、4、5ページ)。
【用具】
バッティングティー、11・12インチティーボール(ウレタン製)、インドアティーボール、 バット(ウレタン製)、本塁プレート1枚、塁ベース3枚。 *安全面を考慮して、バットを置くためのコーンまたはフープの利用も可。