アメリカ・ティーボール
Ⅰ アメリカ・ティーボールの紹介
リトルリーグティーボールプログラムは、子どもたちが早い時期から、基本的な野球やソフトボールの技術を容易に習得するために考案されました。このプログラムによって、子どもたちは“ティーボール”に親しみ、仲間と一緒に楽しくプレーすることができます。またプレーを通して技術の向上を図ることができ、やがては野球やソフトボールの醍醐味を味わうことができるでしょう。
野球はソフトボールにおいては、ピッチャーはストライクゾーンに正確にボールを投げることが要求されます。ところが、たいていの4~8歳ぐらいの子どもたちは、正確にボールを投げることはもちろんのこと、その打球を正確に打ち返すことができません。その練習をさぼるということは楽しんでプレーできないばかりか、苦痛となってしまうことも多いのです。このような点を十分考慮した上で、このティーボールは考案されました。打者はバッティングティーの上のボールを様々な方法で打つという動作を繰り返すことによって、腕や目を上手に使いながら、スイングテクニック(打撃技術)を養うことができます。
また、守備側にとっては、守備技術を養う絶好の機会に恵まれることになります。幼い子どもたちは、このティーボールでの体験を通して、野球やソフトボールの様々な技術を学び、楽しくプレーできるようになるでしょう。
ティーボールプログラムを、有効なものにするためには、なにより監督やコーチの人選に慎重であるべきです。彼らのとるリーダーシップは子どもたちに多大な影響を与えるからです。ティーボールをプレーする子どもたちを指導する上で、最も大切なことは”忍耐”ということです。
野球やソフトボールの打撃、投球、守備、走塁の各技術を向上させるための練習は、先ず楽しくなければいけません。この観点から、打つ、投げる、捕るという基本の動作を素直に自発的に向上させるために、有能な大人が指導し、子どもたちの意欲を育てることがなにより大切なのです。
ティーボールの素晴らしさは、プレーを繰り返しながら、子どもたちが自発的に学び、野球やソフトボールを楽しむことに目覚めていくことです。忘れてならないことはティーボールのプレーヤーは発達段階にいる子供たちだということです。子どもたちが積極的に学び、その変化、向上する姿に、大人たちは感動を覚えることでしょう。
Ⅱ アメリカ・ティーボールの規則と競技法
選手
- アメリカのティーボールは、4歳から8歳までの幼児と児童を対象に計画されたものである。
- 8歳の児童は、他のリーグ(マイナーリーグやリトルリーグ)でプレーすると、このティーボールのリーグでプレーすることはできない。
〔注〕それぞれのレベルでプレーできる年齢
ティーボール 4~8歳
マイナーリーグ 8~12歳
リトルリーグ 9~12歳
ジュニアリーグ 13歳
シニアリーグ 13~15歳
ビッグリーグ 16~18歳 - その年の8月1日以前に9歳の年齢に達しておらず、また、8月1日以前に4歳に達している幼児や児童は、ティーボールの試合に参加することができる。
チーム
- ティーボールの登録人数は、原則として1チームにつき15名以内とする。
しかし、最大限20名までは認められる。 - 各チームの選手の起用(打順、守備位置)に関しては、監督、コーチ、チーム関係者の協議によって決定される。
- ティーボールにおける選手登録は、シーズン中なら、いつでも再登録(登録変更)できる。
打者と投手
- 打者は、投手が投げたボールを打つのではなく、バッティングティーの上に載せたボールを打つ。
- ボールを投げる投手は必要としない。
スケジュール
- ティーボールの試合のスケジュールは、理事会によって準備される。大会形式は、グラウンドの数や質によって計画される。
- 1日にプレーできるゲームは、1試合のみである(2試合は認められない)。
- リーグ内で順位をつけることは認められない。
特別試合
- 連盟に登録されていないチームは、特別試合のみ参加することが認められる。
ナイトゲーム
- ナイトゲームは原則として認められない。しかし、正当な理由がある場合は、その限りでない。
- もしナイトゲームが行われたとしても、午後9時以降、新しいイニングに入ることは認められない。
- ティーボールのための人工照明は、リトルリーグによって認可された最低基準をクリアしていなければならない。
用具と服装
- すべての打者、走者、次打者は保護用ヘルメットをかぶらなければならない。
- 捕手は、マスク、ヘルメット、レガース、ネックカラー付きの胸プロテクターを必ず着用しなければならない。
- 男性の捕手は、それらに加え、プラスチックか金属、あるいは人工繊維で作られた保護用カップを着用する。
- ティーボールでは、ユニフォームとして、Tシャツと帽子(キャップ)を着用することが望ましい。
入場料
- ティーボールの試合においては、入場料を徴収することは認められない。
- しかし、観衆等による寄付は認められる。
賞
- 打撃成績や守備成績などの技術で評価された賞を、選手に贈ることはできない。
- ただ、シーズンの終わりに、選手に参加証明書、あるいは参加賞を贈ることは問題ない。
グラウンド内での礼儀
- 選手、監督、コーチ、審判、そして連盟役員は、何時も礼儀正しい行動が義務づけられる。
- 選手、監督、コーチ、審判は、試合前、試合中は、グラウンドあるいはダッグアウトかベンチにいなければならない。
- 打者、走者、次打者、1塁、3塁のベースコーチ以外のすべての選手は、チームが攻撃しているときは、ダッグアウトかベンチにいなければならない。チームが守備しているときは、他のすべての補欠選手はダッグアウトかベンチにいなければならない。
- 監督とコーチは、プレーを妨げなければ、打者や野手に近づいて助言してもよい。その場合、監督またはコーチは、審判に“タイム”をかけたあと、選手に技術や状況を説明しなければならない。
- バットボーイとバットガールは許可されない。
- グラウンド内、ベンチ、ダッグアウトにおける喫煙、飲料は禁止する。
テレビジョン
- ティーボールのテレビ中継は禁止する。
選手権大会
- ティーボールの選手権大会は禁止する。