1月25日「ルール解説 (1-2-b バッターズサークル三つの魅力)をします。」

 バッターズサークルは、ホームプレートの角を中心にして半径3mのサークルを描く。

【答え】アメリカのティーボールには、「バッターズサークル」はありません。あるのは野球やソフトボールと同じ、「バッターズボックス」です。ではなぜ日本ではバターズサークルにしたのか。その答えを今回はお教えしましょう。(バッターズサークルは和製英語です)

 30数年前、この日本式ティーボールを創作しようとしているとき、最初は当然のようにバッターズボックスを描いていました。そしてそこに打者は打席に入ります。そうしたところ、日本人は几帳面なのでしょうか、打球がなぜかセカンド方向ばかり行くのです。これでは一塁手や三塁手の方にはあまりボールが飛んできません。そこでその原因を調べたところ、打者はバッターズボックスのラインが引いてあるとそのラインに正対して、所謂ノーマルスタンス(両肩・両足を開かずラインに平行)でボールを打とうとするのです。これは、大学生も小学生も同様の傾向がありました。その反省から、打者の前のラインを消して打たせると、フェア地域90度の中を上手に右に左に真ん中にと打つのです。このため、バッターズボックスのラインは必要ないと判断し、サークルにしました。

 そして二つ目の魅力は、上記のルールであるバッターズサークルにすると、ラインを引くのが、とても容易になったのです。学校の先生は体育の準備が楽になったのです。野球・ソフトボールの経験者であればお分かりのようにあのバッターズボックスを描くというのはとても難しい作業です。ベテランの選手でも結構ラインが曲がってしまいます。これには、多くの指導者から喜ばれました

 三つ目の魅力はこのバッターズサークルにしたことによって次打者がバッターズサークルに近づかなくなったのです。初心者の打者は打ち終わった後、バットを無意識に投げる人がいるのです。これはとても危険です。バッターズサークルを描くことによって、安全に試合を行える確率が高まりました。学校関係者から多くのお褒めの言葉を頂いています。

 以上のように、日本式ティーボールは、長年の研究と実践によって、三つの長所を見つけ出し、従来のバッターズボックスの概念を変え、バッターズサークルとしたのです。