2月2日「ルール解説13(続き)」
例4、走者二塁、打者が第2遊撃手と二塁手の間を抜くゴロのヒット、二塁走者は本塁へ、ゴロを捕った左中堅手が本塁手に向かってバックホーム、二塁走者ホームに突入、際どいプレーだったが間一髪アウト。そして、球審が即座に「タイム」、これはいけません。打者走者の位置を見て、その走者が二塁まで行くのか、一塁に留まるのか、二塁に行くとなるとその走塁をさらに見届けなくてはなりません。二塁でアウトかセーフか、それが決まれば、そこで「タイム」です。走者が二塁に行かず、一塁に帰塁すると判断すると、そこでプレーが「一段落」で、「タイム」です。
例5、走者二塁、打者は、右中堅手の前の浅いフライ、二塁走者はタッチアップして三塁へ、右中堅手がフライを捕った後、三塁へ投げたボールが横にそれ、三塁手が後逸、それを見た走者がホームへ向かうか、三塁に留まろうか迷っているときに審判が「タイム」。これは「タイム」が早すぎます。「プレーが一段落」していません。もう少し三塁走者の動きを見る。即ち走者が安全に三塁に帰塁する、と判断した時に、「タイム」です。
以上、例を5つあげ、説明しましたが、「プレーが一段落した」これを見計らうタイミング、この判断はとても難しいのです。
では、なぜこの難しいルールを日本で採用したかと言いうと、これはアメリカのスローピッチソフトボール協会(世界のベースボール型球技で競技人口が最も多い協会)のルールだからです。「タイム」、「プレー」の繰り返しはアメリカでは選手が安全にプレーできるルールとして深く浸透しています。今後、国際大会を行う上でしっかり理解しておくことが必要と考えました。
しかし、日本においては、ファーストピッチソフトボールのルールが浸透していて、投手がスロー(ゆっくりした)ボールを投げていても、ルールはスローピッチソフトボールのルールを採用せず、ファーストピッチのルールで多くの場合プレーしています。学校もその傾向がないとは言えません。
だから、このルールはあまり知られていないのです。このルールを正しく理解するためには、多くの試合を経験することです。多くの試合を裁定してこの「タイム」、「プレー」の繰り返しを学習してください。宜しくお願いいたします。