1月29日「幼児にティーボールを」の研究と実践の短い歴史

 1998年11月、学習指導要領改訂により、小学校・中学校の現場でベースボール型ゲームが行えるようになりました。そこには「ゲームの例」(ア)手やラケット、バットなどで打ったり、止まっているボールを打ったりするゲーム。と記述されました。それを受けて、1999年(平成11年)先述したように学研の「みんなの体育」4年生と5年生版に大々的に「日本式ティーボール」が掲載されたのです。

 そこで、私は、次は「幼児と小学1・2年生」をターゲットにしてティーボールを普及させる必要があると考えました。しかし、そこには、あの幼児体育の専門家である丸山克俊先生がおられません。事情があって本協会を退会されていたのです。そこで私はもう一方の幼児教育・幼児体育の専門家である私の学部の後輩である前橋明教授にお願いし、彼とともに幼児のティーボールについて研究と実践を再開しました。ボールを大きくしたり、バットを太くしたり、より柔らかくしたり様々試みました。それらの成果を、2004年(平成16年)1月の第11回と翌年の12回、2年続けて日本ティーボールセミナーで、「幼稚園や小学校(1・2年生)に対する普及を」というタイトルで実践報告しました。またその成果を、前橋先生は2006年「幼児のためのティーボールあそび」(大学教育出版)で世に問うておられます。その推薦文は私が書きました。

 その後も彼や私のネットワークで日本の一流の幼児教育者に日本ティーボールセミナーで実践報告をしていただき、それを10年続けましたが、正直言って今ひとつ成果が上がりませんでした。

 それが4,5年前、本協会から12年間退いておられた丸山克俊先生が、「幼児のためのティーボール指導なら全力で協力したい」と言って戻ってこられたのです。その成果が、「幼児&1・2年生のためのティーボール指導教本1」(体育教育出版会)の出版です。これは日本野球連盟と日本高校野球連盟、日本ティーボール協会が共同で出版したのです。それと、同じタイトルのDVDもあります。これらはとても評判良く、インパクトもあり、日本野球連盟も日本高校野球連盟も今もって参考にしてくれています。

 それは丸山先生のあの指導力にあります。迫力、情熱、真剣さ、子供の目線に合わせる態度、企画力の素晴らしさ、幼児をご自分に引き付ける優しさ、どれをとっても超一流それは見事なものでした。私は講習会等で50回以上は見ています。いずれも抜群でした。素晴らしかったです。

 これは、あの東京ドームや京セラドームでの「親子でチャレンジ」ティーボール教室の彼の指導を見ても明らかです。

 今後は、丸山克俊先生に続く若い指導者が、これら上記の書籍の続編と第2第3のDVDを発刊・発行することが今求められています。このコロナが終息したならば、この作業に入らなければなりません。

 若い指導者の皆さん、さあ、前橋明先生、丸山克俊先生に続きましょう。幼稚園、こども園、保育所に行って、幼児から、この「幼児用ティーボール」でトビっきりの笑顔をとりましょう。コロナ後がとても楽しみです。