8月24日 慶応高校はエンジョイ・ベースボールで107年振りの優勝、おめでとうございます。森林監督は幼稚舎の先生、児童・生徒ファースト。その考え方は、日本式ティーボールの理念と似ています。

 慶応(KEIO)高校の優勝、誠におめでとうございます。昨日はテレビの前で、試合開始から閉会式迄、観戦し続けました。高校野球を試合の始めから終わりまで真剣に観るのは十数年振りでした。それ程この優勝戦は、私にとって惹きつけられるものが多々ありました。丸田君の先頭打者ホームランに始まり、仙台育英の最終打者の橋本君がレフト方向へファールフライを打ち上げ、レフトの渡辺君がキャッチするまで、目が離せませんでした。両選手の胸に示す「KEIO」と「IKUEI]の文字が、とても輝いて見えました。全ての選手の表情が豊かで、高校生らしく、本当に最高の3時間でした。ありがとう! 両校の監督と選手の皆さん。

 さて、ここでは、早稲田の人間としてはやはり慶応の戦いぶりが気になりました。私は、昨年6月25日(土)慶応義塾大学で開催された野球の記念「シンポジウム」に招待されました。早稲田大学からは恐らく私だけだったでしょう。「完全アウェイ」の状態。そこでの「シンポジウム」のタイトルは「『エンジョイ・ベースボール』とは、日本野球の常識に対する挑戦である」と。シンポジストは、清澤さん、上田さん、堀井さん、前田さん。

 この招待状を頂いたのは、5月18日、私が父方の祖父の関係で、人生で初めて三田の慶応義塾大学の行った時のことでした。そこで慶応義塾福澤研究センターのT准教授と基金室H課長とお会いし、打合せ。その後、私が日本ティーボール協会の理事長、野球・ソフトボールに興味を持っている人物ということで、この上記シンポジウムの招待状を頂いたのでした(※「招待されたもう一つの理由」を参照)。

 翌日の19日に、私はこの「理事長からのメッセージ」(237ページ)において、慶應から頂いたパンフレットを読みながら、「『楽しい野球は慶應』、『一球入魂、野球道は、早稲田』ですか。成程ね。面白い!日本式ティーボールは、早稲田風、飛田先生風ではなく、慶應のスピリットに近いですね」と書きました。

 これを思い出しながら、本日の新聞を読んでいると、森林監督は、慶應幼稚舎(小学校)の先生ですって。小学生の心が分かる先生、小学生が分かれば中学生が分かる、中学生が分かれば高校生が分かる。これが私の考えです。小学生は、大学生程は忍耐力がありません。先生の話が面白くないと批判さえしてきます。それを日々経験されている先生が、高校の野球部の監督さん、異色です。素晴らしい!

 私は大学で41年間教鞭をとりましたが、実家が1947年から幼児園(現在の幼稚園と保育所)を経営していたので、幼児を指導される幼稚園と保育所の先生の凄さ、優しさを知っています。幼児はその先生に興味がないと、さっさとその場から立ち去ります。忍耐力等は、大学生とは比較になりません。

 私がハワイに留学していた時、アメリカのイミグレーション(移民局)から唯一アルバイトを認めて頂いていました(当時学生ビザで入国しているものはアルバイト禁止)。小学校の日本語教師なら、当時のアメリカ人には出来ない仕事でしたので、アルバイトOK。ハワイ本派本願寺経営の「フォート学園」で、日系のアメリカ人に対して、日本語と日本の文化やスポーツを2年間教えました。私が24、25歳の時でしたが、それは物凄く人生の勉強になりました。クラスの児童は、1年生から6年生まで計20人。私は当初、英語が十分に話せませんでした。クラスの児童が私の拙い英語を聞いて、茶化したり、真似たり、笑たりするのです。悔しかったですね。子どもとの向き合い方を学びました。そこでの経験が、大学で教えるようになってからとても役立ちました。それは、幼児・児童・生徒・学生ファーストを考えられるようになったからでした。

 森林監督は、毎日児童を指導されながら、ご自身も児童から学ばれているのではないかと思います。そこから滲み出る「エンジョイ・ベースボール」、成果が出ました。優勝インタビューでは、「自分たちの野球ができた。今後、高校野球における多様性、個性などが認められるようになれば良いですね」と自信満々に語られていました。素晴らしい! 改めて、慶應の皆さん!おめでとうございます。

 慶應の次は、早稲田です。本日から女子の全国大学ソフトボール選手権大会が、安城市デンソープライトペガサススタジアム等で開催されます。選手たちは、昨日、安城市に入りました。今日は開会式。私は明日出発し、球場に直接入ります。3時から関西の雄、同志社大学との試合。早稲田大学は、エンジョイ・ソフトボールではありません。一球入魂、ソフトボール教育を大切にします。

 全国小学生ティーボール選手権大会でボランティアとして活動した選手たちが、この大学最高のレベルの大会で、どのように輝いてくれるか。楽しみです。私が長谷川監督に、いつもアドバイスするのは「部員に対して、否定的な言葉は使用しないように」。長谷川監督はそれを完璧に守って、部員を指導してくれています。全国制覇するチャンスです。

 日本協会事務所でアルバイトするSが、エース投手として輝きます。Yがスラッガーとして長打が期待できます。Mも怪我から復帰して、3番打者としてセンス抜群、攻守に活躍してくれるでしょう! 私は、外野から彼女たちの活躍を笑顔で観戦します。4年生にとって、早稲田大学でソフトボールをプレーするのは、泣いても、笑っても、あと1週間弱。集中力、気力、一球入魂。準備はOKです。

 エンジョイ・ベースボール(ソフトボール)は、勝利したチームが言える言葉。やはり早稲田は「一球入魂」。チャレンジ!進取の精神!フロンティア精神!最善を尽くしましょう!

  • 招待されたもう一つの理由:私の父(久保半、後の吉村半)の祖父(小沢市三郎・慶応3年生まれ、後の久保市三郎)は、明治26年1月25日慶応義塾大学部第一期卒業生総代でした。そのため、卒業式には「答辞」を読みました。当時の祖父の卒業証書には、社頭・福沢諭吉、塾長・小幡鳥次郎からとあります。このことが、1983年5月15日発行の「慶應義塾125年」に掲載されています。その数年後で、私の父方の祖父と祖母は栃木県真岡市で結婚。その仲人を、福沢諭吉が務めたようです。このような関係で「招待状」を頂きました。